ABSTRACT:
連続光散乱センサーAVを用いて収集された測定値は、2015年6月1日から6月30日の間に、アメリカ大使館と中国政府によって計算された参照BAMデータを用いた測定値と比較された。 この調査の目的は、空気力学的直径が2.5マイクロメートル(µm)未満の浮遊粒子の質量濃度を測定する際のAVセンサーの精度と正確さを分析することである。 AVセンサーによるPM2.5測定値とBAMセンサーによるPM2.5測定値はよく相関しており、日ごとの相関効率は0.96、時間ごとの相関効率は0.83であった。 そのため、AVとBAMは、PM2.5のリアルタイム連続モニタリングへの導入に適している。
サンプリング方法:
すべての機器は北京の朝陽区で操作された。 BAMのデータは、アンジアルー通り55番地にあるアメリカ大使館で測定された。 AVからアメリカ大使館センサーまでの距離は約0.5km。 センサーが収集したデータが自動車交通汚染の影響を受けないように、AVディテクターは住宅地に面した高さ20mのバルコニーに設置された。
モニタリングは、2015年6月1日(18:00)から6月30日(15:00)まで、計30日間実施された。 PM2.5濃度の変動が大きく、湿度レベルも様々であるため、6月にPM2.5濃度をモニターした。
結果と考察
PM2.5濃度の時系列プロット
データを比較する定量的な方法として、図1と図2に示すような時系列プロットを用いて、データの精度を視覚的に把握する方法が用いられた。 平均PM2.5濃度は、1時間ごとに記録されたデータから算出された。 両測定器で記録されたPM2.5濃度はわずかに異なっていた。 これは、AVは光散乱を、BAMはベータ線散乱を利用しているため、両装置で検出方法が異なるためである。 また、AVとBAMでは応答時間が異なり、AVは1秒ごとに濃度を記録するのに対し、BAMは1時間ごとにデータを記録するように設定されている。
合計694点のデータが取得された。 PM2.5の平均質量濃度は0~250µg/m3の間に分布しているが、AVとBAMでは同様の濃度傾向を示している。
図1: AVとBAM(米国大使館)を使用した1時間平均PM2.5の時系列
図2:AVとBAMを用いた1時間平均PM2.5の時系列(中国政府、農業展示センター)
相関性
AVとBAMの濃度を比較するために、2つの統計解析が用いられた。 1つは、2つの装置間の時間差を絶対濃度とパーセンテージの両方で比較すること、もう1つは、線形回帰分析を用いてAVとBAMを比較することであった。
相対的な差
相対的な差は、絶対的な差とアメリカ大使館からの濃度値を割って計算することができる。 アメリカ大使館とAVセンサーの1日平均測定値を比較したところ、その差は13.9%であった(Molenar, n.d.)。 相対的な差は、PM2.5エアロゾルパラメータの自然変動とAVセンサーの散乱効率によるものである。 空間的な差は、測定値の差に追加される寄与である。 (PM2.5測定に影響する要因参照)
一方、AVとBAMの1時間当たりの相対的な差は16.1%であることがわかった。 特に非常に低い濃度レベル(<8 µg/m3)では、異常値を無視すれば、より高い精度が得られる。 濃度レベルが低ければ低いほど、不確実性は高くなる。
線形回帰
線形回帰分析の目的は、対応するAVとBAMの測定値間の関係を、濃度範囲にわたって探索することである。 回帰手順は、関係を記述するために利用可能な "最良 "の直線を決定し、回帰係数はデータの相関を説明する。 図Xは回帰図の比較である。
AVとBAMの1日平均測定値の相関二乗係数(r2)の平均は0.959であった。 スロープは0.9067、平均インターセプトは4.6644であった。 傾きが1に近く、r2が0.9を超えるため、毎日の測定値の一致は非常に良好である。
しかし、1時間ごとの測定に基づくと、図4によれば、傾きは約0.822、r2は0.83である。 1時間ごとのデータは1日ごとの測定と比較して1対1の比率から大きくずれているが、r2が0.83であることから、AV濃度とBAM濃度の間には強い相関関係があることがわかる。
中国政府のデータとAVのデータとの相関関係は0.93と高いr2を示しているが、データは傾き(0.83)が小さく、切片(9.54)が大きく、1対1の比率の線からより大きく逸脱している。
図3. 米国大使館BAMデータの1日平均対AVデータの線形回帰線
図4. アメリカ大使館BAMデータとAVデータの1時間平均の線形回帰線。
図5. 中国政府日次平均データとAVデータの線形回帰線
測定方法 | 相関係数平方(r2) | スロープ | インターセプト | |
x | Y | |||
AV(毎日) | BAM(毎日) | 0.959 | 0.9067 | 4.6644 |
AV(時間給) | BAM(1時間ごと) | 0.83072 | 0.8266 | 9.5426 |
AV(毎日) | 中国政府(毎日) | 0.92598 | 0.7283 | 11.142 |
表1. 粒子光散乱とベータ線散乱の比較
結論
この研究と図は、校正された光散乱検出装置であるエアビジュアル・センサが、PM2.5濃度レベルを監視するための代替機器として有用であることを示している。 Air Visualセンサーのコストは比較的低いにもかかわらず、本研究の結果から、Air Visual測定はBAMと比較して(R2=0.959)とそれなりに正確であることが示唆されたが、Air Visualセンサーは依然として粒子特性の変化などの要因の影響を受ける可能性がある。
参考までに:
ジョン・V・モレナー によるPM2.5質量測定の理論的分析。 ネフェロメトリー。 エア・リソース・スペシャリスト社